クヌギ vs 樫 薪の熱量比較①
『薪の火持』
という表現がある。
比重が高く堅い木は”火持ちが良い”と言われるが実際にその”火持ち”の良さを数値で示す事は出来るのか?
そして検証するのは
クヌギvs樫
薪業界の双璧ともいうべき超優秀薪同士の勝負。三国志でいえば関羽と張飛が闘うようなもんだ(どうでもいいけど)
こんばんは薪ブログです
このブログの真骨頂と言うべき挑戦だ!
薪の火持ちについて数値的に証明してみたい。
私が考えた方法は、樹種の違うサイズ感が同じ薪を用意して天板温度300℃以上を保つ時間を計測する。またはその平均天板温度を計測するという方法だ。
ただ問題があった、比較するには全く同じ容積の薪が必要になるのだが、それはまず不可能な事だ。
建築材のように製材して縦×横×長さが同じ立方体の薪を作れば可能だがそんな事は流石に出来ない笑
そこで気幹比重を使って重さを算出する方法を思いついた。
例えばクヌギの中割10本の合計重量を10kgとした場合、アラカシでは11.3kgがクヌギ10kgと同じ容積の薪となる。
算出方法は↓
アラカシの比重0.96
クヌギの比重0.85
0.96÷0.85=1.13
という事だ。
実際に検証用のクヌギと樫を用意した。
まずはクヌギ↓
計りが10kgまでしか計測出来ないので5本づつ2回に分けて計量した。
中割10本の重量は約11kg
大体同じ大きさの薪を揃えたので1本当たり約1.1kgのクヌギの中割だ。
という事はアラカシは11kg×1.13=12.4kgが同じ容積の薪となる。
続いて樫(アラカシ)↓
12.4kgに近づくように何度か薪を入れ替えながら計った。
6473+5993=12446g→12.4kg
こちらも中割10本で約12.4kg
1本当たり約1.2kgの同じぐらいのサイズ感の薪を用意した。
これでほぼ同じサイズ(容積)の薪同士での検証が出来るわけだ。
ただし!
この2種類の薪は条件に決定的な違いがある。それは含水率だ。
クヌギの含水率はWB18%
樫の含水率はWB24〜28%だ、、、
樫の含水率を測った写真だ、
勿論改めて割った中身に含水率計を刺している↓
同じ薪棚の乾燥期間が同じもの2本を測った。
クヌギの乾燥期間は1年半、樫は半年だから仕方ない笑
来シーズンには同じくらいの含水率での検証が出来るが、現時点ではこの条件での検証になる。
実は半年乾燥の樫で今回の検証をしようと思ったのには理由があって、樫は乾燥が甘くてもそこそこ燃えるのでは?と感じているからだ。
「クヌギやコナラはしっかり乾燥してないと良く燃え無いが、樫はそこそこ乾燥していれば燃えてくれる」という事を薪屋さんが書いている記事を読んだ事がある。
実際に私も半年乾燥の樫のコロ薪をたまに焚いているが良く燃えるのだ。
樫の燃え方を見ていて思うのは自分から良く燃えて綺麗な熾になってくれる。
これが私の目の錯覚なのかどうかも今回の検証結果次第では見えてくる。
次回は実際の燃焼記事になります。