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PANADERO イスラの使用感【2】

前回からの続き<<

 

今回はドラフトスタビライザーについて書きます。

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私はストーブ屋でも無ければ専門家でも無く、はたまたパナデロジャパンの回し物でもないただの一般ユーザーです。

専門的観点から見れば間違った事も書くかもしれないが、実際に我家における唯一の暖房設備としてイスラを使用しているユーザー視点の実例として書いていく。

※突っ込みどころあればビシビシ御指導御鞭撻宜しくお願い致します。

 

我家に導入したこの薪ストーブとドラフトスタビライザーは日本ではまだ新しい機種と排気コントールシステムだから一般ユーザー視点での情報が非常に少ない。というかこうしてブログで発信しているユーザーはまだ私だけだろう笑

 

密かに脚光を浴びつつあるこのストーブとシステムの導入を検討している方の検索にヒットする可能性もあるからしっかりと書いていきたいと思っている。

 

では今回の本題であるドラフトスタビライザーに付いてだが、メーカーが発表している概要が詳しく書かれていて分かりやすいので以下に紹介します↓

 ドラフトスタビライザー | コラム | 薪ストーブ PANADERO(パナデロ)

↑を踏まえた上でこのブログでは実際に使用した実感を交えて書いていきます。

 

まず、私は従来型の排気コントロールシステムとして日本に普及している”ダンパー”も以前使用していたストーブで使っていたのだが、

ダンパーとスタビライザーでどちらが良いか?

と尋ねられると、正直どちらにも優位性があるから回答する事は難しい。

 

★ドラフトスタビライザーの良い点

オートマチック(ワンタッチ)であり、操作が非常に簡単。

 

★煙突ダンパーの良い点

マニュアル操作で排気コントロールの幅がスタビライザーよりも広い。

 

上に書いたダンパーの優位性(排気コントロールの幅が広い)について分かりやすい例で説明すると、オーロラ燃焼がそれになる。

スタビライザーではオーロラが出現するほどに排気を絞る事は出来ないのだ。

ただし、そもそもドラフトスタビライザーはオーロラを発生させる為に作られた物では無いから全くそれが欠点になる訳では無いのだが、排気コントロールの幅を説明する為にあえて書かせて貰った。

 

実際に使用したドラフトスタビライザーの印象は非常に良いです。

何よりオートマチックでしっかりと排気コントロールをしてくれる。

何がしっかりなのか?というと、このスタビライザーが生み出す効果は巡航運転にある。

 

私の使い方は常に給気は全開で、煙突根元温度300〜450℃でドラフトスタビライザーを発動させるだけ。

着火から巡航運転までの薪ストーブ操作は、点火→ドラフトスタビライザーを開ける、ただそれだけの超シンプル操作。

※薪を追加する時はドラフトスタビライザーを1度閉めて、火が回ったらまた開ける。

 

基本的にドラフトスタビライザーを開けた時点での煙突根元温度を一定に保ちながらストーブ本体温度(天板温度)は上昇していく。

※この事は自分が煙突根元とストーブ天板温度とを睨めっこして確認した事で間違いない。

 

一般的には給気を一杯に開き、煙突のドラフトを強くして薪の燃焼を加速させる事で本体温度を上げるのだが、スタビライザーはドラフトを下げる事によりストーブ内に薪の燃焼パワーを閉じ込めて本体温度を上げるのだ

ただしこれは煙突ダンパーでも理屈は同じ事なのだがコレをスタビライザーでは弁を開けるだけ(ワンタッチ)でその後はオートマチックでやってくれるという所が大事なのだ。

そしてスタビライザーはその具合が非常に良い。

 

先に煙突根元温度300〜450℃と書いたが、この幅の意味は部屋をガッツリ暖めたい時は450℃に近い温度(もしくはそれ以上でもいいだろう)でスタビライザーを発動させるという事だ。

■スタビライザーを開ける

→ドラフトが下がる

→煙突から外に捨てられる熱が減る

→炉内に薪の燃焼パワーが留まる

→ストーブ本体温度が上がる

→部屋が暖まる

→ドラフトが下がってる事で薪の消耗が少ない

→燃費がいい

↑任意の煙突根元温度でドラフトスタビライザーを発動させるだけでこの状態の巡航運転が始まる。

 

因みになぜ300℃〜なのかというと、炉内が二次燃焼を始める550℃以上になるのが煙突根元温度約300℃だから。

逆に煙突根元温度300℃以下でスタビライザーを開けると煙突内を盛大汚してしまう結果になる可能性があるからそこは注意点ですね。

※煙突根元温度が300℃でも炉内の薪全体に炎が回って無ければスタビライザ-は開けませんよ(一応)

 

さらにドラフトスタビライザーを開ける事により煙突に何が起こっているかという事をもう少し詳しく(マニアックに)書くと、

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↑上の写真が我家の煙突なのだが、ストーブ本体から約1mがシングルで上は二重煙突となっている。

煙突根元温度が350℃の場合、ドラフトスタビライザーが付いているシングルTから上のシングル部の温度は大体230℃ぐらいなのだが、スタビライザーを開けることで煙突は冷やされスタビライザーから上のシングル部の温度は120℃ぐらいまで下がる。

これがどういう事かというと、ドラフトスタビライザーはストーブ炉内以外から煙突に給気する事で煙突のドラフトを下げると思われがちだが実は違う。

勿論スタビライザーの弁が開く事で炉内から引っ張られる排気量は減るのだが、同時に煙突が冷され、根本的に煙突全体のドラフトが下がっている訳だ。

★これによって色々な事が起こります。

①煙突本体のドラフトが下がる事で室内空気の排出量も減る。

スタビライザーを開く事でせっかく温まってきた室内空気も盛大に排出されると思いがちだが、実は大した量では無い。それは先に述べた通り煙突自体が冷やされて煙突温度120℃程度のドラフトしか発生しなくなっているからだ。

実際に操作しててわかるのは、煙突温度が十分に熱せられてスタビライザーを開けた瞬間は『ゴーー!』という音と共に激しく室内空気がスタビライザーの穴から煙突内に吸い込まれていく音がするのだが、煙突温度は急速に下がって音はしなくなる。

 

②実はシングル煙突部による輻射熱の恩恵をあまり受けられない。

先にも書いた通り、ドラフトスタビライザーから上の部分は120℃程度まで煙突温度が下がるのだから、煙突の輻射熱で暖房性能の恩恵を受けたいとの狙いであえてシングル部を設けるのは余り意味が無い。

ドラフトスタビライザーを採用するのであれば煙突根元から全て二重煙突にするもしくはドラフトスタビライザーが付いているT型煙突から二重煙突する、という方が理にかなっているだろう。

※二重煙突の方がドラフトが安定して立ち上がりが良いからだ、

ただし煙突の経費を削りたいが為にシングル部を設ける場合は話が別。

※我家の場合もシングル煙突からの輻射熱による恩恵を受ける為にあえて下部をシングルにしたのだが、余り意味がないから煙突の組み合わせを変えてみようと思っている。

現在はシングルTが真ん中になっているが、これを上に持ってこようとしている。

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こうする事でスタビライザー使用時の煙突温度低下の影響は二重煙突にしか起こらなくなり、シングル管からの輻射熱を受ける距離が長くなる。

ただその為には伸縮シングルを少しカットしなければいけないから、シーズン中にやるかシーズン後にやるかで悩んでる。

前回の記事で書いたが、イスラと昨シーズンまで使っていたジェニファとで暖房性能はほぼ同じと感じているが、正直シングル部を設けたのに同じというのは少し寂しい笑(ジェニファ時代は全て二重煙突)

この件に関してやってみて効果が有ると感じたらまたレポートさせてもらいます。

 

 

③煙突が冷える事で煙突内に煤が付き易くなる

↑この事を良く理解した上でドラフトスタビライザーの操作をする必要があると思っている。先にも書いたが煙突根元温度300℃以上の状態でないとスタビライザーは開けないほうがいい。

たかだか120℃程度しか無い煙突に、低い炉内温度で煙モクモクの状態の排気が通ると屋根から上のトップ付近はさらに低温となっているわけだから汚れやすくなる事が予想される。

炉内でしっかりと二次燃焼が行われてクリーンになった排気が煙突に流れる状態になってからスタビライザ-を開けるべきだろう。

※だだしコレは点火から巡航運転までの話であって、一度高温まで上がって、炉内が熾の状態になった上での炉内温度低下の時は関係ないだろう。熾は煙をほとんど発してないから。

 

さてさて、自分でも何度も読み直さないと訳わからんほどごちゃごちゃと書いたが伝わってますか?笑

 

始めにドラフトスタビライザーとダンパーの優劣について少し触れたが、どちらか一つしか付けられないと言う条件を突き付けられたら私はスタビライザーを選びます。

1番良いのはドラフトスタビライザーとダンパーの両方が有れば良いですね笑

だから自分はダンパーも付ける事にした

もうすでに買ってある笑

シングル煙突に6mmの穴を開けるだけで簡単に取付けられる。

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理由は暖房性能や燃費うんぬんではなくオーロラ燃焼を楽しみたいただそれだけ笑

巡航運転の方は優秀なドラフトスタビライザー様に一任します。

やってみないと分からないが、イスラは綺麗なオーロラを見せてくれると思います♪

 

★ドラフトスタビライザーは既存の150φ煙突にT型煙突(シングルでも二重煙突でも)を組み合わせれば取り付け可能です。取り付け自体も工具など必要無くスポッとはめるだけで超簡単です。

スト-ブ本体の機種は何でもOKです、興味ある方は導入されてみてはどうでしょうか♪

 

次回で最後になりますが、その他細かな点の使用感をレポートします。

 

 

次回 PANADEROイスラの使用感【3】

 

【追記】

2019/12/12追記

本部中でどちらか選べと言われたらスタビライザーと書きましたが、先日後付けダンパーを付けて、、、やっぱりダンパーも良いなと笑

やはりどちらも選べない、両方とも必要です!

現状両方ついてますが笑

 

 

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